(台湾)ルチア編の炎上と開発レター

開発レターvol.9(Facebook)

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団長の皆さま、こんにちは。
『鈴蘭の剣』プロデューサーの印佳健です。

ここ最近、新バージョンのプレイ体験について多くのご批判をいただきました。まずは制作チームを代表し、心よりお詫び申し上げます。
ステージ数値バランスおよびメカニクス設計の不備により、団長の皆さまに良くない体験を与えてしまい、皆さまの期待を裏切る結果となってしまいました。

以前にも一度「楽土からの手紙」でルチア版の設計意図についてご説明しましたが、その時点では問題の深刻さを十分に直視できておらず、設計視点にも多くの盲点がありました。
本日は、私たちの反省と、今後の具体的な改善計画についてお話しさせていただきます。


「自然守護」の設計意図と現実の問題について
ここ数バージョンにわたり、私たちは「新キャラクターのインフレにより旧キャラクターが活躍できない」という問題に直面してきました。
戦棋ゲームとして、本来あるべき「戦略性」に立ち返り、単純な数値比較ではない形にできないかを模索してきました。

それ以前には、「専用解放」などの育成システムによって旧キャラクターの性能を底上げする試みも行いましたが、単一環境の中では、旧キャラクターの強化が環境の更新速度に追いつかないという課題がありました。

そこでルチア版では、「テーマ環境」という設計を導入しました。
その目的は、多様な環境を作ることで新旧キャラクターが共存できる状況を生み出すことでした。
この考えのもと、ステージを大きく2種類に分けました:

■一般メカニクス型:
陣営懸賞、「逆境の塔」前半、「愚者の旅路」高難度など。
従来の環境ローテーションを維持し、団長の皆さまが慣れ親しんだ対策編成を活かせる設計です。

■ルチアテーマ型:
「運命の螺旋」常設、「凛風回廊」、「逆境の塔」後半など。
ここでは「自然守護」メカニクスを導入し、敵により強力な特性と明確な弱点を持たせました。

「自然守護」によって、新キャラクターは単なる数値の暴力ではなく、「守護無視」というメカニクス適応によって優位を得る設計とし、インフレの進行を抑える狙いがありました。

理想としては、新キャラクターは簡単かつ効率的に攻略でき、旧キャラクターでも弱点を突くことで戦略的に突破可能とし、攻略方法が一つに固定されない状態を目指していました。


しかしながら、設計の詰めが甘く、考慮不足があった結果、実際の体験はこの意図から大きく乖離し、団長の皆さまに強い疲労感を与えてしまいました。
深く反省した上で、以下の問題点を整理しました:

■難易度設定の偏り
これが最も重大な問題です。
一部のルチア高難度ステージでは敵の性能が極端すぎ、正しい対策を取っても数値差や敵の対抗手段によって突破できない状況が発生しました。
その結果、本来多様であるべき戦略が「新キャラでもきつい、旧キャラでは不可能」という閉塞状態になってしまいました。
またこの問題は新コンテンツだけでなく、「愚者の旅路」の高難度にも及んでおり、戦略的な楽しさよりも挫折感が上回っている状況です。

■理解コストの高さ
敵の能力説明が冗長かつ情報が分散しており、さらに隠れた仕様の試行錯誤が必要になることで、プレイヤーが直感的に攻略ポイントを掴めず、戦略思考ではなく「文章読解作業」になっている

■戦闘内の要素が複雑すぎる
1戦闘内に要素を詰め込みすぎた結果、攻略方法を理解した後も編成難度が高く、戦闘時間も長く、高い判断負荷がプレイヤーの疲労をさらに増大させている


今後の対応と改善方針
現在の問題に対して、以下の方向で改善を進めます:

【即時対応】(4月30日予定)
最も問題視されている難易度について緊急調整を実施します。

1.「氷原狩猟」調整
・初期レベル上昇速度の向上
・レベルによるステータス上昇量を強化
・「凛風狩場」全難易度(4段階)の敵レベルを低下

2.「衛隊試練&女神試練」調整
・「飛虫」「剣歯虎」「豪猪」「ヤク」などのスキル弱体化
・「霜狼アサシン(非ステルス時)」の弱体化
・一部ルチア敵のダメージ低下
・女神試練「アフラ」のスキル弱体化

3.「愚者の旅路」高難度
・第6章:一部エリート敵のHP減少
・第7章:
 - 「無法者」の異常なHPを大幅減少
 - 「アウトロー」環境の感染付与量を減少
 - 「騎士連合」敵のHP減少
 - 「騎士の栄誉」環境バフの効果大幅低下

全ステージを根本から作り直すことは現実的に困難なため、特にストレスの大きい部分に絞って調整を行います。

【今後の最適化】
今回の経験を踏まえ、今後は

・よりシンプルで直感的なメカニクス設計
・ステージごとの要素整理(考えるポイントの明確化)
・敵の強さ曲線の再調整(数値管理の徹底)

を行います。

特に重要なのは、
「旧キャラでも条件を満たせばちゃんと攻略できる」
状態を保証することです。

また、
・バグの多発
・「楽土黄金杯」などのイベント体験の悪さ

についても深くお詫びいたします。
今後はこれらの品質改善にも継続的に取り組みます。


この手紙や一度の調整だけで、失われた信頼をすぐに取り戻せるとは思っていません。
それでも私たちは、『鈴蘭の剣』を長く遊べる、純粋に戦略を楽しめる作品にしたいと考えています。

率直な意見を届けてくださったすべての団長の皆さまに、改めて感謝いたします。
皆さまの声が、私たちに問題点を気付かせてくれました。

この教訓をしっかり受け止め、『鈴蘭の剣』本来の楽しさを取り戻せるよう努力してまいります。


最後に、これまでのご支援への感謝として、
以下のギフトコードをお送りします:
希望晶石 ×300

おおまかな経緯

1月23日から始まった新バージョン(ルチア編)の難易度調整、新キャラ前提の環境設計により締め上げられたプレイヤーの不満が高まっていた。

特に4月以降、中国コミュニティでは長文でのお気持ち表明がトレンド化し、引退宣言や抗議が多く寄せられた。

開発はルチア編開始から3か月経過してようやく腰を上げ、問題の認識と謝罪、今後の改善について表明した。

問題となった点

・急激なインフレ進行と極端な環境バフにより、アンチユニットとして作られた新キャラ以外はまともに戦えない状態になっていた。新キャラであっても対策を間違うと即死するため特定のスキルを編成する必要があり、キャラプールが乏しいプレイヤーは門前払いされている。

・上記に加え、「前シーズンまでの強キャラがメタられて出禁に近い状態にされたこと」「新キャラやモチーフ装備の設計がルチア編の対策に偏っていること」により、キャラは今シーズン限りの使い捨てで、推しを引いて強化したところで次のシーズンではもう使えないのでは?という疑念が広がった。

・入れ子構造の複雑かつ冗長なスキル説明によって理解コストが増大し、ステージコンセプトが直感的に分からないため編成も攻略も試行回数が必要。かかる時間と疲労が増えていた。

・それらの苦労を乗り越えても報酬が乏しく、徒労感が強い(※スルーしても痛くないとも言える)。

・旧来の螺旋の設計からコンセプトが完全に変質し、ストーリー分岐があって多視点でifを見られる軍記ものから、一本道の主観ラノベ形式が定着してしまったことへの失望が再燃。

・今どきDAUを気にして毎日長時間張り付かせるイベント設計の思想が古く、トレンドをキャッチアップできていないことに対する不満(特に他タイトルと比較して)。

改善計画

4月30日に難易度緩和(ルチア編と愚者高難度の敵弱体化)を実施、今後は旧キャラでも戦略で勝てる設計を徹底すると発表。ただしプレイヤーからの信頼は厚いとは言えず、素直に歓迎する向きと冷ややかな視線が混在している。

プレイヤーの反応(Taptapより抜粋)

・こういうゲームなかなか無いし、本当に大事にしてほしいんだよね。好きだからこそ下り坂になってほしくないし、遊べなくなるのが嫌で意見出してる。最初に「長く寄り添うゲーム」って言ってたのも良かったし、今も一応その方向で頑張ってるのは分かる。ただ、問題って別に開発力の問題じゃない部分で起きてるんだよね。せっかくストーリーや演出めちゃくちゃ頑張ってるのに、最後の報酬とかで全部台無しにしてる感じ。

・もっとプレイヤーに優しくしていいと思うよ。ケチっても意味ないし、むしろ気前よくした方が人はついてくる。イベントも雰囲気ちゃんと作って、福利もちゃんと配ってほしい。結局ゲームって人と人の関係だからね。

・あれだけ頑張って作ったストーリーや演出なのに、報酬がタコ缶2個って…そこケチる意味ある?最後の一押しで自分から評価下げてるようなもんでしょ。

・「ガチャ疲れをさせないための調整」という擁護もあるが、全キャラ集めているような課金層からすれば、せっかく引いたキャラが使い物にならないのはただの嫌がらせでしかない。

・テスター増やせばいいのに。SRだけで普通の難易度回してみるとか、それだけでもバランス分かるでしょ。UIもちゃんと事前に触ってれば、今より体験かなり良くなるはず。

・手紙は読んだよ。ちゃんと分かってる人だとは思う。あとは改善に期待かな。ストーリーとかキャラの魅力をもっと伸ばしてほしいし、難易度インフレで時間稼ぎするのはやめてほしい。結局みんなが見たいのはストーリーと戦闘の組み合わせだから。

・自然守護ひとつで旧キャラほぼ死んだの笑う。

・課金者どんどん辞めてるの見えてないの?パックのコスパ悪いし、何百連してキャラと専用武器揃えても結局倉庫番とか意味なさすぎる。

・ガチャ引くのはいいけど、育成終わっても結局詰むのは勘弁してほしい。ずっとやってて課金もしてるけど、今の環境はさすがにキツい。

・昔のボスすら倒せないのに、インフレだけ進んでるのはさすがにおかしいでしょ。

・「旧キャラ強化が環境に追いつかない」って言ってるけど、そもそもちゃんと強化したことあった?

・あの解放システムで「強化した」って言われてもね…。

・旧キャラ強くしすぎたら誰もガチャ引かなくなるでしょ。

・ちゃんと反省してるのはいいと思うし、ゲーム自体は好き。ストーリーも作り込みもいいし、このまま評価積み上げていってほしい。

・結局、報酬がしょぼすぎるのが一番の問題だと思う。

・やっとミス認めたか…フィンまで引いた俺は何だったんだよ。

・フィンって結局何の役に立つの?また同じことになりそうで怖いんだけど。

・プロデューサーはいつシルエットタイプに進化するの?

・昔みたいな尖った感じの方が好きだったな。

・旧キャラの強化もっと大胆にして。

・プレイ時間引き延ばしはほんとやめてほしい。疲れるだけ。

・もうすぐイベント終わる時期になって改善するの草。

・これ反省したっていうより売上落ちたから焦ってるだけでしょ。

・数値インフレ抑える方向自体は賛成。某ゲームみたいに数百万→数千万とかになったら終わりだし。

・結局旧キャラは特定条件じゃないと出番ないんでしょ。

・高難度連発+難易度分けなしが一番きつい。ライト層が遊べる場所がない。

・理想は分かるけど、この開発力で本当にできるの?

・環境の変化が速すぎるのって誰のせいなんだよって話。

・前の環境で強かったキャラが今は全然ダメなの悲しい。

・改善はいいけど、毎回炎上してから直すのやめてほしい。

・課金するなら気持ちよく遊ばせるか、完全無課金寄りにするかどっちかにしてほしい。今は中途半端。

・俺らはグローバルのためのテスト版扱いかよ。

・女神試練20、敵強すぎて笑う。硬いし痛いし動き多いし回復するしバフ奪うし、配置も悪いしで普通にきつい。

・言ってることは立派だけど、実際出てくるものがアレじゃね…。

・旧キャラって素直に数値上げちゃダメなの?

・こんな難しいのやる時間ないって。

・やっと難易度下げたか。遅いけど。

・全部が難しいわけじゃないし、特定キャラ必須にしなければいいと思う。

出典:Taptap

個人的な感想

ルチア編はさすがにやりすぎだった。

新キャラのメリットを強調して旧来の人権キャラを抑制しないとガチャが回らないと考えたのだろう。敵に分厚いダメージ軽減を持たせる雑な調整でシャナズやサマンサを出禁にし、あらゆるマップで敵の守護を割るか守護無効を持つ新キャラを揃えないと勝負にならない設計で登場。推しをせっせと育成していた重課金者がお気持ちを投げつけて逃げ出すのを3か月に渡って座視する対応はかなりお粗末である。

ルチア編の敵がどういうものかピンと来ないと思うので一例を見てみよう。

・被環境ダメージ-90%
・攻撃前「高地優勢」を獲得;飛行距離は4マス固定
・落水救星(※水や穴に落ちても復帰する)を所持。発動時にHP-10%、「ノックバック無効」を獲得(次の行動開始まで)
・被遠距離ダメージ+140%;被近接ダメージ・被範囲ダメージ-100%
・「🚫アクティブスキル」「武装解除」無効、地形効果無効
・「自然守護」効果:最終的被ダメージ-30%、全デバフ無効
・アクティブな遠距離単体攻撃でダメージを5回受けると「守護失効」する

よく見かける雑魚、災翼獣。ダメージカット効果がズラズラと並び、近接と範囲攻撃が通らない。デバフも地形ダメージも効かない。通るのは遠距離単体ダメージのみ。さらに5回遠距離単体ダメージを本体に入れないと守護が割れない。(守護の効果と対策は敵ごとに異なる)

守護を割る手順は面倒である一方、そもそも割ったところでリターンは期待したほどではない。「守護失効」すると次のようになる。

3番の敵のクラスアイコンが割れており失効状態であることが分かる。
失効前と比べると、「最終被ダメージ-30%・全デバフ無効」の記述が消え、「被近接・範囲ダメージ-100%」が-50%になっている。ダメージが通りやすくはなるものの、50%のダメージ軽減は残っており弱体化したというほどではない。

ちなみに「守護失効すると被ダメカットが-100%から-50%に変わる」という説明はなく、プレイヤーが実際に経験して初めて気づく。一時が万事この調子で体当たり検証が必要になるため、仕様を理解して対策を立てる労力が非常に大きい。

[自然守護]効果:
最終被ダメージ-60%(※解除方法なし)

[自然守護]効果:
最終被ダメージ-65%(※解除方法なし)

[自然守護]効果:
最終被ダメージ-60%(※解除方法なし)

[自然守護]効果:
最終被ダメージ-60%(※解除方法なし)

[自然守護]効果:
最終被ダメージ-70%
反撃前、攻撃+100%
行動時、警戒スキルでダメージを受けると[破綻]を獲得。[破綻]3スタックで[守護失効]する。

このように多くのケースで守護は被ダメージを大幅にカットし、戦闘を遅滞させる。また、守護の解除方法が書かれていない敵が予想以上に多い。その場合、守護を破壊するには直接[守護失効]を与えるスキルで攻撃する必要がある。該当する効果は(この記事を書いている時点で)アンナの裂傷箭とログネーダの元気玉のみ。旧キャラには望むべくもない。

ルチア編の新キャラは全員守護無効持ちであるため、この被ダメージカットの効果を受けずにダメージを通せる。「攻略でラクしたかったら特効キャラをガチャで揃えてね」という運営の意図は理解できるが調整が極端すぎて、旧キャラではそもそもクリアすることが不可能となってしまった。HP10万の敵が群れで迫ってくるのに、守護が割れなければルカマールが全力で殴っても1500程度しかダメージが入らないのだ。これでどうやって戦えというのか。

さらに新キャラを並べても敵のレベルが上がってくると一発もらえば即死する。そのため敵から接触されない段取りを考えるのが多くのマップに共通する主題となっており、何度も何度もやり直しを強いられるのはスマホゲーに求める体験とは食い違いが大きい。ベルサガなら分かるが。

そんなに苦痛ならやらなければいいのでは?というのは尤もな指摘であるが、マップクリアに石がついていて、さらに全クリの報酬にガチャ券が置いてあり、実害はなくとも確実に損した気分にさせてくるのがいやらしい。以前なら簡単に手に入ったクリア報酬が今では相当頑張らないと同じだけの石やガチャ券はもらえないため、労力に見合わないと感じるプレイヤーもいたようだ。

クリアできず面倒で放置していたら「改善」のお知らせが来た。すでに散々苦労してクリアした人たちからは「遅せえよ!」と非難轟々である。

なお、調整ミスで問題となっているのはルチア編本編ではなく付随するイベントや、同時期に実装された愚者の高難度モード。ルチア編本編は楽園から自軍を連れ出すことはできず用意されたキャラクターだけで戦うため、こちらはバランス的には悪くない。

前後編合わせて訳文が10万字のボリューム。新書や軽いラノベ1冊分程度だ。翻訳を書き起こしながらプレイするのが結構大変。展開や結末に言いたいことはあるけど、実装されたらキミ自身の目で確かめてくれ!

今回の運営の対応が遅きに失した感は否めないが、いちおう問題点は正しく認識しているようだし、鎮火のため当座しのぎとしての発表内容はまずまずだろう。ただし旧キャラ置いてけぼりインフレ問題が解決したわけではない。人気や愛着のある旧キャラの活躍機会を保証し、かつ新キャラや新システムにも魅力を持たせるというのは、言うほど簡単ではないだろう。今回の開発レターが空手形にならないことを願っている。

ルチア編も今んとこ全キャラ揃えてますが、法皇国編でそっこー型落ちしたりしないでしょうね!?